いのむらブログ

短波を送信すると必ず傍受されることを覚悟しなければならぬ 猪村は自分が忙しいのが得意であった。然し、方々からお座...

送信する電波の周波数が変わるとこの整合器の調整をやり直さねばならぬ 通信科の下士官には少年電信兵出身で、階級は下...

お役所へ伺いを立てていたのでは到底戦争の間に合わない 猪村は図面の中から一つのコンデンサーを下士官に示しそのコン...

エー、ビー面誤差 エー、ビー面誤差という言葉は猪村には初耳である。正式な術語ではなくて、海軍通信学校で勝手に使っ...

海軍では階段は駆け足で 昭和十一年の六月、猪村の第二回の乗艦実習が始まる。聯合艦隊の各艦は横須賀、呉、佐世保の各...

歯切れの悪い結果だった 猪村が呉へ赴任した頃、呉に装備した短波無線方位測定機はその試験が一応終わっていて、測定誤...

無線方位測定機 無線方位測定機という兵器は日本海軍では明治時代から使われていた。昭和十年頃の時点で、水上艦船に搭...

地球の上空二百キロ程度の場所に地球をとりまくイオン化層が存在 短波方位測定のお話をする前に短波のお話をしておかね...

捕音器の位置を変更すると音波の方向はよくわかるようになった 多分、そういう説明はあったのだろうが、猪村は完全に聞...

艦政本部からの指示図面と違っていますね 潜水艦の工事が進行して公試運転が始まると猪村も呉から神戸へ出張して公試運...