「日本海軍の潜水艦作戦はなっとらん。少しは米国のやりかたを見習ったらどうだ」
昭和十七年の三月頃までは日本軍の一方的勝利である。
日本は強いなあと猪村は感心する。然し、 感心ばかりしていられない事件にも出会う。
昭和十七年一月九日の朝日新聞に、「日本潜水艦がジョンストン島付近において米国航空母艦ラングレーを撃沈した」という記事と「東京湾外において米潜水艦による被害多少あり」という記事とが出ていた。
その日猪村は何かの打合せのために横須賀鎮守府へ通信参謀の梅木中佐を訪ねたが、用件が終わった後、この新聞記事に関する猪村の感想を梅木中佐にぶちまけた。
猪村の考えを要約すると、
「日本海軍の潜水艦作戦はなっとらん。少しは米国のやりかたを見習ったらどうだ」という事になる。
米国航空母艦を撃沈できたのは、まことに稀な好運であるが(後日、これはタンカーを航空母艦と見誤ったものとして訂正された)、本質的な脆弱性を持っている潜水艦が対潜水艦防禦には十分注意をしている敵の軍艦を狙って成果を得る確率は極めて低い。
普通の場合は、敵に多少の損害を与え得たとしても敵艦を撃沈するまでには到らず、逆にその潜水艦が撃沈される結果となる。
そうなると、長年訓練を重ね、潜水艦乗りとしては世界一精鋭なわが将兵は再び帰って来ない。
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