レーダー3

レーダー

設計思想に整然とした一貫性がある

英国ではその後この超短波のレーダーに色々改善を加え、色々な目的に使用する超短波のレーダーを完成する。

日本がシンガポールを占領したとき英国が高射砲の射撃計算機に結合して使用していたレーダーをろ獲して猪村もその取扱説明書を見たが、その設計思想に整然とした一貫性があることに感心した。

日本の東北大学で発明した八木アンテナを使用し、日本ではまだ実用化されなかった電波ビームの走査方式を用いて敵機の方向を一度程度の方位精度で測定するが、この程度の方位精度では射撃計算のデータとしては精度不足であり、レーダーからのデータは距離データが計算機に入力され、敵機の方位データは望遠鏡で照準した角度が使われる。

但し、夜間は敵機を望遠鏡で照準することは出来ないから、レーダーからの方位データによって探照灯の方向を制御し、探照灯で敵機を照射した上でその方位は望遠鏡で照準する。



昭和十五年頃、英米の間に軍事技術相互援助協定が締結されるが、この時点において、英国では次の世代のレーダーは超短波よりももっと波長の短い極超短波(マイクロ波)のレーダーになることを洞察し、超短波レーダーの技術は全面的に英国から米国へ供与するから、米国は技術の全力を挙げてマイクロ波レーダー開発に努力してくれという協定をしている。

日本がフィリピンでろ獲した航空機探知用のレーダーは超短波レーダーだったから、これは英国設計のものであったと思う。

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