レーダー1

レーダー

電波探信儀という名称は水中探信儀という名称に揃えて命名された

レーダーという言葉は米英の造語をそのまま戦後の日本でも使うことに定めたもので、戦争中は海軍では電波探信儀という名称であり、陸軍では電波探知機という名称であった。

海軍の電波探信儀という名称は水中探信儀という名称に揃えて命名されたものである。

水中探信儀は水中に超音波を発射し潜航している敵の潜水艦からの音波の反射により敵の潜水艦を探知する兵器で、日本海軍ではフランスのランジバンという会社からその設計を買って横須賀海軍工廠で製造していた。

その当時はこういう音響関係の兵器を製造する専門部門はなく、横須賀工廠の中の無線工場がその製造を担当し、猪村自身がその製造の担当者だった。

無線工場では特別な無線兵器をも製造しており、その担当者は北原技師であったが、何かの理由で水中探信儀だけは猪村の担当事項だった。

レーダーは電波を空中に発射し、飛行機からの反射波により敵の飛行機を探知するので、動作原理は水中探信儀に類似している。



ただ、水中における音波の伝ぱん速度が一秒に千五百メートル程度であるのに対し、空中における電波の伝ぱん速度が一秒に三億メートルであることが、水中儀の設計に比し電波探信儀の設計が難しい理由の一つである。

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